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N.O.S. w/box (旧お気に入りモノ図鑑)

自分の好きなモノ、気になるモノを紹介していくブログです。

アメリカ旧靴を歩く ① 


昨年の雑誌LAST Vol.6 の特集以来、静かなブームとなっている感があるビンテージアメリカ靴。
古着屋さんでの取扱量も増えているように思います。
最近興味を持った方のために、僭越ですが、アメリカ旧靴ガイド的なモノを書いていけたらと。



第1回目のテーマは「デッドかユーズドか」


まず、デッドストックの状況ですが、年々厳しくなっていきています。
以前は2,3万も出せば50s60sが見つかりましたが、今や少し良いモノは5万超は当たり前。
中には10万近いモノもチラホラ。

あくまで個人的な価値観になりますが、30s40sスペードソールのコードバンなどの「超お宝」
は別として、そこまでの価値があるかは疑問です。5万超ともなると現行国産の上位靴が狙えますし、
10万ともなればオールデンコードバンの新品が買えますから。サイズも選び放題ですし。
それに高額のデッドは履くことにためらいを覚えます。宝の持ち腐れになることが多い(^^ゞ


1922-SELZ-Six-OXFORD-SHOES-Vintage-1920s-Mens.jpg


ですので、デッドを買うのなら2~3万で狙えるモノをまずはおススメします。
具体的には70s80sのFlorshseim、Foot-So-Port や Wrightなどです。

オールデンは意外とデッドが豊富です。もともと矯正靴店へOEM生産していたので、
割と出てきます。
価格的にも現行定価より安いですし、革質も昔の方が総じて良いです。
ただし、矯正靴なのでカーフが大部分なのと、AとかAAなどの細いサイズが多いのがネック。
それでも eBayなどで200~300ドルくらいで80s頃のデッドをたまに見かけるので、送料関税入れ
ても4万くらいで買えることがあります。サイズが合えばお得だと思います。

デッドも保管状態によって程度にバラツキがあります。
私も何度となく経験しましたが、釘が錆びているものやカビ臭いもの、革が硬化しているものなど、
デッドであるからと言って、決して新品ではない場合が多々あります。
その辺の見極めも必要なところです。


florsheim shoe shops 1944


デッドをおろして着用したが、すぐにカカト部分が裂けたとか、ソールがはがれた、などはよく聞く
話です。良心的なお店では保証をしてくれるとこもありますが、オークションや一般的なショップ
ではノークレームがほとんどでしょうから、注意して選ぶ必要があると思います。


ユーズドがOKなら選択の幅は格段に広がります。場合によっては50sが数千円で買えることも。
問題は程度の良し悪しと製造年代が見抜けるか、それらを踏まえて、相場的にお得かどうか
判断できるか、というところです。
(製造年代は古めに言われる傾向があります。ひどいのになると60sを30sとか、、、)



shoe ad jarman 1951


程度はなるべくミントコンディションのモノを選ぶべきでしょう。
2,3回履いてはみたものの合わずにしまい込んでいたものが理想。
革表面の様子をよく観察し、クラックがあるモノは避けた方が無難。これは修理が難しいからです。
ヒールの摩耗は交換できるのであまり気にしなくてよいと思いますが、ここも使用頻度の
バロメーターにはなります。

製造年代は一般に「古ければ古いほど良い」と思います。
ただし、極端に古いモノ(戦前のモノ)などは革の崩壊が早い場合があるので注意が必要です。
戦後~60sくらいまでがいろんな意味でバランスが良いかと思います。

年代の判定基準はいろいろありますが、ハウス型ユニオンメイドは概ね70s初頭付近までで、
これが入っているモノはハズレが少ない印象です。


shoe ad 1915-REGAL-SHOE-COMPANY-MENS-CLOTH-TOP-RITZ-OXFORD-SHOE-AD


総じて、靴の内部表記がシンプルなモノほど古いと思います。
フォントも古めかしい飾り字体が多い。
“man-made materials”や“made in USA”表記があるものは新しい(古くても70s後半)場合が
多いので私は避けています。

相場的には程度とブランドにより、いろいろですが、個人的には1万円以下に留めたいところ。
レアなモノとか古いモノ、新品に近いモノならもっと頑張っても良いかと思いますが、
失敗した時のダメージを考えると、ユーズドに2万超はなかなか出せない、というのが本音です。


ユーズドの良いところはレアな靴が比較的安価で見つけられる、というところかと思います。
デッドではまず出てこないものがユーズドだと出てくることが多い。
これは大変魅力的な要素です。


shoe ad bostonians 56


悩ましいのは仮に2万円台くらいのビンテージ靴が2足あったとして、一方は60sの箱付きデッド、
もう一方は40sのユーズド、さてどっち?という状況です。
これは個々人の価値観による、としか言えませんが、私なら取りあえず前者を選択します。
理由は簡単。「ユーズドなら今後も出てくる可能性がある」からです。

ただ、ユーズドなら履けますし(生理的嫌悪を乗り越えられる人なら)、最近は買ってくれる人も
多いので、デッドを履き下ろすより経済的には圧倒的に有利。
相場もあってないようなものなので、目利きさえできればお得な買い物ができるというのも大きい。
20年くらい前、まだ40s50sのデッドが安く手に入った時代ならともかく、現状でそれは無理です
から、なるべく程度の良い中古を手入れして履く、というのが一番良いのかもしれません。





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Comment

Name - 電池  

Title - 

お久しぶりです。

非常に興味深い記事です。
古靴のブームは私が集めだした頃、もしくはその直後からと感じます。手を出し始めた時は美ユーズド40sでも100ドル前後(送込15000まで)でしたが、今では為替の関係もあり極端に言えば2倍くらいになっている印象を受けます。集め始めた頃は高くても手を出していました。そして幾度となる勉強の機会にも恵まれました涙
その結果、私も今回の記事にあるよう20000円辺りが一つのボーダーラインとなっています。余りに貴重だと履けない場合がありますし。今となっては手頃な年代の英国靴をよくチェックしています。もちろん米靴ならではの魅力は堪りません。

ところで、直近の感覚ではやや価格が落ち着いたと感じております。どのように感じていますか?

2015.09.20 Sun 18:57
Edit | Reply |  

Name - europeanblend  

Title - Re: タイトルなし

電池さん、こんばんは。


> 非常に興味深い記事です。
> 古靴のブームは私が集めだした頃、もしくはその直後からと感じます。手を出し始めた時は美ユーズド40sでも100ドル前後(送込15000まで)でしたが、今では為替の関係もあり極端に言えば2倍くらいになっている印象を受けます。集め始めた頃は高くても手を出していました。そして幾度となる勉強の機会にも恵まれました涙


2,3年前は70円台、それが今や120円台ですから、確かに体感的には倍くらいの印象ですね。
日本経済にとっては良いのかもしれませんが、私たちにとっては嬉しくない(^^ゞ



> その結果、私も今回の記事にあるよう20000円辺りが一つのボーダーラインとなっています。余りに貴重だと履けない場合がありますし。今となっては手頃な年代の英国靴をよくチェックしています。もちろん米靴ならではの魅力は堪りません。


理想を言えば送料諸費用込み1万円以内が理想なのですが、最近の円安でそうは言えなくなってきました。
今のレートではたとえ50ドルでも総計1万を超えてしまいますから。
アメリカ靴愛好家として言ってはいけないかもしれませんが、やはり靴としての出来は英国靴だと思います。
実を言いますと、この前紹介したBB・PEALのデッド、あれを見たときにはっきりそう感じました。
70sであのレベルですからね。。。 
電池さんの動きは靴好きとして正解だと思います。
私の場合は半分意地です(^^ゞ


> ところで、直近の感覚ではやや価格が落ち着いたと感じております。どのように感じていますか?


そうですね、去年ちょっと盛り上がった分、最近少し落ち着いてきたという感じでしょうか。
3万超えると新品でいろいろ選べますから、別にビンテージにこだわる必要もないことを
みなさん良く分かっていらっしゃるのでしょうね。。。
実用品としては間違いなくその方が賢明かと。
ただ、コレクターとしては、また別の価値観があるのだと思います(笑)
ビンテージリーバイスと同じですね。
2015.09.20 Sun 20:57
Edit | Reply |  

Name - なおけんた  

Title - 

こんばんは。

こういう内容は、やはり europeanblend さんに書いていただくのが一番いい。
というか、 europeanblend さんだからこそ書ける、と。

とても分かりやすく、とても納得のいく素晴らしい内容ですね。
全国誌のにわか古靴記事よりも圧倒的に参考になります。
古着屋さんもかないません、たぶん。
私なんぞ足元にも及びません。

私はセコく買うことにかけては(笑)自分なりに頑張っていると自負しています(笑)が、昨今の円安は苦しいですね。
20,000円がUSEDのボーダーというのは同感です。
私の場合は「送料込み」ですね(笑)。

個人的には、円高カムバックです。
2015.09.20 Sun 21:22
Edit | Reply |  

Name - tomo  

Title - 

お久しぶりです。なおけんたさんのブログにも書かせて頂きましたが、生きてます(笑)
このガイド、もっと早く知りたかったですねー笑。そうすれば、師と仰ぐeuropeanblendさんのようになれたのに笑。冗談はさて置き、本当に興味深く素晴らしい記事ですね。shoetyの店長さんとのお話した際にもデットを勧められましたが、europeanblendさんの今回の記事を拝見して、より一層納得出来ました。

このシリーズ、今後も楽しみにしております。


2015.09.20 Sun 21:47
Edit | Reply |  

Name - europeanblend  

Title - Re: タイトルなし

なおけんたさん、こんばんは。

> とても分かりやすく、とても納得のいく素晴らしい内容ですね。
> 全国誌のにわか古靴記事よりも圧倒的に参考になります。
> 古着屋さんもかないません、たぶん。
> 私なんぞ足元にも及びません。

あのLastの記事は素晴らしかったと思います。
あれ以上のアメリカ旧靴入門記事はなかなか書けないと思ったのですが、
個人的にああいう記事をもっと読みたかったので、僭越ながら自分でも
書いてみました(^^ゞ

なおけんたさんはじめ、愛好家の皆さんのコメントも初心者の方に参考に
なるかと思いますので、何か気付かれたことがありましたらお願いします。
ちなみに不定期5回連載予定です。。。


> 私はセコく買うことにかけては(笑)自分なりに頑張っていると自負しています(笑)が、昨今の円安は苦しいですね。
> 20,000円がUSEDのボーダーというのは同感です。
> 私の場合は「送料込み」ですね(笑)。
> 個人的には、円高カムバックです。


なおけんたさんのセレクションにはお世辞なしでいつも感心しています。
やはり靴に対する知識と経験が豊富でいらっしゃるので、ビンテージ靴に対しても
客観的というか、必要以上にエモーショナルになり過ぎない付き合い方が勉強になります。
私なんか、どうも深入りし過ぎてるのを自分で感じますから(笑)

ビンテージだから良い、というのではなくて、選択肢のひとつとしてアメリカ旧靴に
向き合う、というのが理想ですよね。
2015.09.20 Sun 21:55
Edit | Reply |  

Name - europeanblend  

Title - Re: タイトルなし

tomoさん、お久しぶりです。
なおけんたさんのとこのコメント拝見して、お元気そうなので安心しておりました^_^


> このガイド、もっと早く知りたかったですねー笑。そうすれば、師と仰ぐeuropeanblendさんのようになれたのに笑。冗談はさて置き、本当に興味深く素晴らしい記事ですね。shoetyの店長さんとのお話した際にもデットを勧められましたが、europeanblendさんの今回の記事を拝見して、より一層納得出来ました。


シューティーさんが私をこういうふうにした張本人です(^^ゞ
もっと早くにあの店に通ってれば、VSAさん並みのコレクターになれてたんですが。。。
開店当初は40s50sのデッドがゴロゴロしてたそうですから。
その頃買った人のコレクションの放出を期待しています。


> このシリーズ、今後も楽しみにしております。


入門ガイド、というとどこかエラそうになっちゃいそうなので今まで控えていましたが、
自分のための整理ということで少しづつまとめていけたら、と思っています。
フォローコメントよろしくお願いします。
2015.09.20 Sun 22:13
Edit | Reply |  

Name - tomojin329  

Title - 

なるほど確かに! と感じる事ばかりです。
そして改めて思ったのが、私はコレクターの要素の方が強いのかなと。

アメリカ古靴はデザインの豊富さやディティール等も魅力的ですが、KENMOORの釘に惹かれたり各々のメーカーの歴史などを調べるのが楽しかったりと。なので最近はUSEDでも良いので箱付が欲しいなと強く思っています。

そして円安は非常に厳しいですね。
靴自体の価格もですがshipping代も上昇してしまいますし・・・
転送業者の利点も少なくなっている気がします。

残りの記事も楽しみにしております(^^)/
2015.09.20 Sun 23:51
Edit | Reply |  

Name - スニゲーター  

Title - 

シューティーさんは偉大ですね。
こういったある程度ニッチな世界は元凶の人がいるものですが、この場合はこの方ではないでしょうか。
私もなおけんたさんを通して知った保湿方法がなければ50sまでの物には手を出してはいなかったでしょうし。

値段の安定は私も少し感じていました。これはもしやブーム初期の方々から結構脱落組が出ているのではないでしょうか。やはりかなりリスキーですし、結局現行英国靴に勝っている点が見当たらないですからね。オーダーメイドもありますし。あるのは浪漫だけ(笑)
私も30sスペクテイターで一つ狙っているものがあるのですが、履いた途端崩壊するのではないかという疑念が拭えません。そしてそうなったら数ヶ月くらい脱落してしまいそうです(笑)
実際古いものは履く瞬間はいまだに怖いです。
2015.09.21 Mon 00:39
Edit | Reply |  

Name - europeanblend  

Title - Re: タイトルなし

tomojin329さん、こんばんは。

> なるほど確かに! と感じる事ばかりです。
> そして改めて思ったのが、私はコレクターの要素の方が強いのかなと。


あくまでファッションのひとつとしてビンテージ靴を取り入れる、というのが
よい距離感を保てているように思います。そういう方のブログを見ると、
最高にカッコイイと感じます(^^ゞ
でも、もう私は引き返せないところまで来ちゃってるので。。。(笑)


> アメリカ古靴はデザインの豊富さやディティール等も魅力的ですが、KENMOORの釘に惹かれたり各々のメーカーの歴史などを調べるのが楽しかったりと。なので最近はUSEDでも良いので箱付が欲しいなと強く思っています。


以前から思っていたんですが、この辺tomojinさんと私は方向性が似ているなと(^^ゞ
去年、岡山の倉敷紡績跡に行って来たんですが、学校を作ったりとか、経営方針が
エンディコット・ジョンソンのスクエア・ディールと相通じるものを感じました。
フローシャイムが40s初頭に全国労組を脱退したのかどうか、とか、ウェインバーグが69年に
アイルランド工場を設立した理由とか、いろいろ考えるだけでも楽しいです。


> そして円安は非常に厳しいですね。
> 靴自体の価格もですがshipping代も上昇してしまいますし・・・
> 転送業者の利点も少なくなっている気がします。


転送業者を使うメリットは、GSPを避けるくらいになっちゃいましたね。
ドル建て預金するとか、何らかの対策が必要かもしれませんね。


> 残りの記事も楽しみにしております(^^)/


ありがとうございます。
補足コメント等あれば、よろしくお願いします。

2015.09.21 Mon 00:48
Edit | Reply |  

Name - europeanblend  

Title - Re: タイトルなし

スニゲーターさん、こんばんは。

> シューティーさんは偉大ですね。
> こういったある程度ニッチな世界は元凶の人がいるものですが、この場合はこの方ではないでしょうか。
> 私もなおけんたさんを通して知った保湿方法がなければ50sまでの物には手を出してはいなかったでしょうし。


福岡のShoetyさん、神戸のNestさん、大阪のIt's a beautifuldayさん、原宿のLubysさんを
勝手に「ビンテージ靴ショップ四天王」と認定しておりますが、どこも20年以上にわたって
デッド靴を販売して来られたこの分野のパイオニアで、古くからアメリカ靴の良さに気付かれてた
わけですから、素晴らしいと思います。



> 値段の安定は私も少し感じていました。これはもしやブーム初期の方々から結構脱落組が出ているのではないでしょうか。やはりかなりリスキーですし、結局現行英国靴に勝っている点が見当たらないですからね。オーダーメイドもありますし。あるのは浪漫だけ(笑)


そう、そのロマンというヤツです。男のロマン。中2病ともいう(^^ゞ
靴に限らず昔のモノが好きな人は少なからずそういう部分をお持ちなのでしょう。
奥さんに理解されない所以ですね(笑)
時計も正確さという機能では電波時計なのに機械式に惹かれる、という。



> 私も30sスペクテイターで一つ狙っているものがあるのですが、履いた途端崩壊するのではないかという疑念が拭えません。そしてそうなったら数ヶ月くらい脱落してしまいそうです(笑)
> 実際古いものは履く瞬間はいまだに怖いです。


私も何度がそういう経験しているのですが、ダメになった場合はそっと箱に戻して「なかったこと」に
してしまいます(^^ゞ Miさんもおっしゃってましたが、やはり戦前のは実用するには気を使いますね。
2015.09.21 Mon 01:15
Edit | Reply |  

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