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「ハーバード白熱教室」 

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NHKで最近始まった「ハーバード白熱教室」が面白くてハマっています。
ハーバードでいちばん人気のあるマイケル・サンデル教授の政治哲学の授業なのですが、
身近な例を入り口に、過去の偉大な思想家たちの言葉に見事につなげていっています。

「きみが暴走した列車の運転席にいるとする。前方には5人の作業員がいる。このまま行けば
5人を轢き殺してしまう。そのとき、隣に待避線があることに気付く。そちらには作業員は一人
しかいない。ブレーキは効かないが、ハンドルは効く。さて、きみはそのまま直進するか?
それともハンドルを切って待避線に入るか?」

これに対して、ほとんどの学生は「待避線に入って一人を犠牲にする」方を選択します。

教授の問いかけは続きます。
「では、今度はきみが列車の運転手ではなく、線路の上にかかった橋の上にいる一人の
傍観者だとする。暴走列車が5人の方に向かっていくさまを眺めている。自分は何もできない。
どうしようもないと思ったとき、ふと自分の横に橋から身を乗り出している一人のとても太った
男がいることに気付く。橋から彼を線路につき落とせば、彼は死ぬが、5人の命は救える。
きみは彼を突き落とすだろうか?」

今度は、「突き落とさない」という意見が大勢。

サンデル教授は2つの多数意見の矛盾点を指摘します。
どちらのケースでも一人の命を犠牲にすれば5人の命を助けられるのに、なぜ後者の場合は
太った男の命を奪うことに抵抗を感じるのか?

他の同様の例を挙げながら、教授はこの中には、帰結主義(よりよい結果に道徳の根拠を求
めること)と定言的な道徳(結果に関係なく、無条件に人がしてはいけないと思うこと)
があることを説明します。

そして、帰結主義者に最も影響を与えたのがジェレミー・ベンサムの功利主義であり、
後者を主張したのがイマヌエル・カントである、と。



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とにかく分かりやすく、面白い。
おそらく日本の大学でいうところの一般教養科目で、基本的な内容なのでしょうが、
サンデル教授のすごさは、1000人もの学生を相手に問答法を駆使しながら、自分の脚本の中に
引き込んでいる、というところ。


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あと、これは関係ないですが、教授のスーツの着こなしと、学生を指名する際の指の差し方も
実にカッコいいです。

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